再び、光が差す-again-〈下〉
その日、私は結局一日ずっと携帯の電源を入れず朝を迎えた。

退院早々に学校に向かう私を母は心配していたが、元気良く家を出た。

元々携帯を頻繁に触らない私は、携帯の電源を切っていることも次の日になると忘れていた。

学校に着くと、「また明日」と別れた菜穂は、この日学校を珍しく休んだ。

昼休憩に入り、菜穂に連絡しようと携帯を鞄から取り出した時、電源を切っていることに今更気付き慌てて電源を入れる。

さすがに一日も経てばカオルから返信が返ってきていた。

だが、その内容は「分かった」それだけだった。


「は?それだけ?」


退院したというメッセージに分かったというメッセージだけ送ってきたことへ、私は周りにクラスメイトがいるのに思いっきり舌打ちをした。

私はカオルのメッセージを無視すると、菜穂に電話をかける。

四コール目でやっと菜穂が電話に出る。
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