再び、光が差す-again-〈下〉
「綺月ちゃん立てる?ここじゃああれだし、溜まり場行こう」

「…無理、かも…溜まり場に行くのは…」

「うん、そうだよな、じゃあ向こうに公園あるからそこで休もう」


雪希は私の様子がおかしいのは、杏樹の溜まり場にいたことと関係しているのだと悟る。

私は溜まり場に徐々に離れていくと、身体の震えは完全に止まり、いつもみたいに歩けるようになった。

雪希は公園に着くまでの道のりで元気づけようと、色んな話を休むことなくしてくれた。

公園に着き、小さなベンチに座ると、もうあの時の感覚は無くなっていた。


「もしかしたら、トラウマになってるのかもね」

「…え?」


…トラウマ?


「大丈夫だと思っていても、溜まり場に行くと怖い時の感情を思い出してしまうのかも」


雪希は私の頭を撫でる。

大丈夫だよと言われているようだった。
< 181 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop