再び、光が差す-again-〈下〉
「あ、来た」


雪希の声に私は雪希と同じ方向に視線を向けると、息を切らしたカオルが立っていた。

本当に来てくれるなんて思わなくて、私は驚いて雪希を見る。


「あははっ、全力で来たみたいだな、すげぇ息切らしてるダセェ〜」


聞こえない距離にいることをいいことに、ケラケラと笑って雪希は小馬鹿にする。


「じゃあ俺は行くわ」

「雪希、ありがとう」

「全然、お安い御用だよ」


カオルは雪希と入れ違いで私のそばに寄る。


「カオルが息切らしてるのってあんまり見たことないから新鮮」

「馬鹿にしてんのか、あの時も息切らしながらお前のこと探してただろ」


そうだった、でもあの時はそこまで見れなかった。
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