再び、光が差す-again-〈下〉
「だから何のいいよだよ」

「…ちゃんと優しくしてくれるならいいよって言ってんの!」

「…優しくって…は?」


私の口からそんな言葉が出てくるとは思わず、カオルは驚きすぎてフリーズする。


「待って、やっぱ聞かなかったことにして」

「いや無理」

「ちょっと流れでつい言ってしまっただけで」

「知らん」

「やっぱり高校卒業するまではそういうのは…」

「待つつもりだったのに綺月が煽ったんだからな」


カオルは至近距離で私の顔を見つめる。

…やばい、つい口走ってしまった。


「大丈夫だ、ちゃんと優しくするから」


そう言うと、カオルは意地悪っぽく笑った。
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