再び、光が差す-again-〈下〉

あれから二週間が経ち、菜穂もすっかり元気になってAgainの溜まり場につい最近顔を出すようになった。


「俺、アイツらのイチャイチャしてるとこ見たくねぇんだけど」


海斗はうんざりした顔で、菜穂と幸人が仲良く勉強してる光景を指さした。

あれから菜穂と幸人はなんやかんやありながらも付き合うようになった。

桜はきっぱりと幸人から手を引き、今は大学のミスコンに出てチヤホヤされている。

「道を踏み外してもチヤホヤされる人生とか死ねよ」と海斗はひたすら毒を吐いていた。

これも全部菜穂が大事にしなかったおかげだ。

菜穂に悪いと思って潔く手を引いてくれたのか、それとももう幸人に執着することが馬鹿馬鹿しくなったのか、桜のことは出会った当初から私は理解出来なかった。


「俺はやっとくっついてくれて微笑ましいけど」

「一生やってりゃよかったのに、あの恋人ごっこ」


海斗も雪希とカオル同様に、幸人と桜の恋愛を恋人ごっこと呼んでいた。
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