再び、光が差す-again-〈下〉
罪悪感と肯定
【カオルside】





綺月が可愛らしい悩みに頭を抱えているとはつゆ知らず、カオルはずっと携帯を凝視していた。


「さっきから携帯と睨めっこしてるけど何かあったの?」


雪希がそんな俺を見てそう問うと、不敵な笑みを浮かべる。


「もう少しなんだよなぁ…」

「何が?」

「綺月の全部を俺のもんにすんの」


それを聞いた瞬間、雪希が大きい声を出して驚き、海斗が首の骨が折れるんじゃないかぐらいの勢いで俺を見る。

幸人はそんな二人を見て、クスッと笑みを零した。


「え?まだ手出してねぇの?あのカオルが?!」

「おいおい冗談だろ、本当にカオルか?」


その反応にカオルは思いっきり舌打ちをする。


「うるせぇな、こっちは慎重にやってんだよ」

「それが良いと思うよ。
綺月ちゃんは寧ろグイグイいったら引いちゃうタイプだと思うから」

「俺が一番苦手なタイプだわ、絶対手出したくねぇ〜」


その発言に海斗の足を思いっきり蹴る。
< 194 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop