再び、光が差す-again-〈下〉
「ミナトさんの死を受け入れられなくて、散々言い訳並べて杏樹を擁護してきたけど、そんなの守ったわけじゃねぇんだよな...」


Againは杏樹を取り戻すためにまた復活したけど、結局それもミナトさんの死を受け入れない奴らが集まっただけだったのかもしれない。

杏樹を言い訳にして、まだあの頃の楽しい時間を取り戻したかっただけだった。


「俺は、杏樹の痛みに触れることが怖くて、ずっと逃げてた。
そう考えれば、杏樹の方がミナトさんの死を受け入れてたのかもしれない」


そう口にすると、杏樹はフッと笑みを零した。


「お前、変わったな」


口角を少し上げ、嬉しそうに言った。


「ちょっと心軽くなった気する。
ありがとう、カオル」


杏樹はそう言うと、涙目を隠すように下を向いた。
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