再び、光が差す-again-〈下〉
「だから私のこと口説いても絶対落ちませんよ」


自意識過剰のナルシストみたいな発言を、少し照れながら私は口にした。

それに杏樹は声を出して笑った。


「カオルの方が溺愛してると思ったけど、お前も結構なもんだな」


甘ったるい空気に耐えられなくなったのか海斗が膨大なため息を吐いて、煙草を吸ってくると早々に離脱して行った。


「アイツも相変わらずだな」


そんな海斗を見て、杏樹はまた笑った。

そんな杏樹の安心しきった顔を見て、聡さんはどこかホッとしたように息を吐いた。


「杏樹、お前今どこに住んでんだよ」


聡さんは杏樹に寄り掛かりながら聞く。


「まぁその辺転々と」

「またお前は海斗みたいなこと言うなぁ…
今日俺ん家泊まれ、美月も会いたがってたし」

「え、彼女持ちの家に泊まりたくねぇ」
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