再び、光が差す-again-〈下〉
私はカオルと一緒に溜まり場を出ると、いつも通りカオルのバイクに置いてあるヘルメットを手に取る。


「良い女はご機嫌斜めですか?」


私の顔を覗き込むようにカオルが見てくる。

そんなカオルの唇に有無も言わせずキスをする。

驚いて一瞬フリーズするカオルを見て、少し私の気が晴れる。


「私のこと変に焦らしてるでしょ?」

「…おっ」


急に的を突かれてカオルがおかしな反応を見せる。

それに私が目を細め、カオルを睨む。


「気持ち悪っ」

「…ごめん、俺が悪かった」

「本当にムカつく」

「だからごめんって」


見るからに拗ねて見せると、カオルは少し焦ったようにすぐに謝ってくる。

そうじゃない、そうじゃなくて…
< 225 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop