再び、光が差す-again-〈下〉
「迎えに来たの?」

「今からどっか飯行こう」


カオルはそう言うと、一方的に電話を切った。

カオル達に応えてブンブンと手を振っている菜穂の鞄も一緒に持って、テンションが上がりまくっている菜穂の腕を掴むと早々に教室を出る。


「校門前でカオル達が待ってるのはさすがに目立ちすぎ、早く行こう」

「何食べに行くのかな!」

「知らない!早く歩いて!」


テストが終わった開放感でルンルンな菜穂を連れ、急ぎ足で校門まで向かう。

多分今更急いで行っても私達がカオル達みたいな不良と仲良いことはバレてるのだろうけど、あれがAgainのメンバーだってバレた日には、Againに会いたいとはしゃいでいたクラスメイトから質問攻めされてしまう。

今後は校門前じゃなくて、目立たない場所に迎えに来てもらわないと。

菜穂を連れた私はカオル達に近付くと、挨拶する間もなく、カオルのヘルメットを被りすぐにバイクに跨る。


「早く、早くGO」

「は?なんでそんな急いでんだよ」

「目立つでしょ、いいから早く」

「ったく、別に今更もういいだろ」


急かす私に、カオルは全く急ぐこともせずにバイクに乗るとエンジンをかけた。
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