再び、光が差す-again-〈下〉
「おい、先に行ってるからな」


カオルは幸人達に伝えてからバイクを走らせた。

もうどこの店に行くかはカオル達が決めていたのか、迷いなくバイクを走らせていく。

この風が心地いい感覚も、カオルの匂いも久しぶりで私は後ろから更に強くカオルにしがみついた。

暫くしてから、中華料理屋店の前でカオルはゆっくりとバイクを止める。


「中華?」

「雪希が食べたい言うから」

「私中華料理屋で中華食べたことない」


そもそも外食をあまりしたことが無い私は、もちろん中華料理屋なんて行ったことがなかった。

私の言葉にカオルは驚いて唖然とする。


「…まじか、他は?」

「他?」

「行ったことねぇ場所とかあんの?
俺が全部連れてってやるよ」


カオルは愛車をポンポンと叩きながら、誇らしげな顔で言う。
< 237 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop