再び、光が差す-again-〈下〉
久しぶりにドギマギしている私を見て、カオルは我慢するように私の肩に頭を預け息を吐く。


「……カオル?」


その時、私達を良い意味で邪魔するように幸人達も店に到着する。


「なんか、綺月赤くない?」


幸人のバイクから降りると、菜穂は躊躇なく赤らめた私の顔を指摘してくる。


「店の前で盛んなよ」


全てを悟ったように海斗が、ゴミでも見るような目を向けながらそそくさと店に入る。


「彼女いねぇからって僻むなよ」


私が慌てて否定しようとすると、カオルは鼻で笑いながら、海斗の肩を掴み嫌味っぽく口にする。


「は?どこが僻んでるんだよ」

「顔から滲み出てる」

「どこがだよ、眼科行け」


カオルはいつもみたいに海斗と口喧嘩をしながら、何度も出入りしているのか躊躇なく店の扉を開けた。
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