再び、光が差す-again-〈下〉
「見るならちゃんと見ろよ」


少し考えた後、私はゆっくりと恐る恐る顔から手を離す。


「大丈夫、俺だけ見てろ」


カオルは私を抱き締め、首にキスをしながらブラのフックを楽々と片手で外した。


「カオルっ…」


恥ずかしくて死にそうで、私は縋る思いでカオルの名前を呼ぶ。


「ん?」

「ずっとギュッてしてて」

「…それは、俺が動きにくいんだけど」

「ダメ、絶対ダメ」


私はカオルの首に腕を回して強く縛りつける。

カオルは私の頭を撫でながら「分かったから、ちょい緩めて苦しい」とまた笑った。


それからの事は私はあまり覚えてない。

尋常じゃない恥ずかしさと、初めての痛みに、私が慣れるまでずっとカオルを抱き締めていた。

慣れてきてからは、正直思い出すと頭から火が出るほど恥ずかしいので、頭の隅にでも封印することにした。

事が終わってから、気が抜けて眠ってしまった私の隣でカオルも少しだけ眠る。
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