再び、光が差す-again-〈下〉

カオルと別れてから、今日の出来事を思い出さないようにテスト終わり早々に勉強を始める。

その時、部屋のドアをコンコンとノックする。

そして母がドアから顔を出した。


「綺月」

「…なに?」

「進路について少し話をしましょう」


母はずっと進路や勉強について話を避けてきたが、家に帰ってきてから今初めて話を切り出してきた。

母は部屋に入り、私の机に大学のパンフレットを置いた。

そのパンフレットは私が見ていた教育大学のパンフレットだった。

母は部屋を掃除する時に机に置かれたそのパンフレットを見ていたのだ。


「これは少し考えてみただけで…」

「本気なら止めないわ」

「えっ?」


母の言葉に、私は驚いてパンフレットを隠そうとする手を止める。


「綺月の好きなようにしたらいい」


それってどういう意味?

母はそれだけを言うと、部屋から出ようとする。

私は「待って」と母を引き止める。
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