再び、光が差す-again-〈下〉
私は海斗の言いたいことが理解出来ずに首を傾げるが、反対に海斗は少しスッキリしたような顔をしていた。

その時、家のドアが開く音が聞こえた。


「帰って来た」


私は立ち上がり、玄関に向かおうと足を進めた時、扉が開き母が顔を出す。


「お、おかえり、お母さん」

「………誰なの」


母は座って麦茶を飲んでいる海斗を見て、つい口から本音が零れる。


「どうも、赤羽海斗です」


海斗は母に簡単な自己紹介をして軽く会釈する。

母は名前を聞いても、だから誰?という顔をして私の顔を見る。


「えっと、カオルの昔からの友達」

「…暴走族?」

「のメンバーですね、はい」


母はやっと理解したのか、鞄をテーブルの上に置いて一呼吸置く。
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