再び、光が差す-again-〈下〉
「それで?君がなぜこの家に」

「今日からお世話になります」

「……は?」


私は思いっきり海斗の頭を叩く。


「まだオッケーだしてないじゃん!何言ってんのバカ!」


私は慌てた様子で海斗を咎めると、母の前で大きい舌打ちをする。

それに母の眉がピクリと動く。


「お母さん違うの!
いや違う訳では無いんだけど、前に冗談で行くとこないなら家に泊めてあげるって言っちゃって、それ本気にして泊めてくれってさっき家に来たの」


あたふたしているせいか、私の身振り手振りが大きくなる。

母は、私の説明と海斗が持ってきた少し大きめの鞄を見て全てを理解する。


「家出?それとも、本当に家がないわけ?」


母は冷蔵庫から飲み物を取り出しながら、海斗に質問する。
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