再び、光が差す-again-〈下〉
「ねぇ、カオル」

「…何だよ」

「もう少しマメに連絡してよね」

「はいはい」

「あとちゃんと家にも帰ってよ」

「…今からすぐに帰る」

「あと、あまり危ないことしないでよ」


あと、あと、と何度も付け足す私にカオルはため息を吐いて立ち止まる。


「心配なんだから仕方ないでしょ?」


面倒くさそうにするカオルの表情に、私は目を細め睨みつける。

その瞬間、なんの突拍子もなくカオルが私にキスをする。


「…な、なに?」

「親みたいなこと言うから、とりあえずキスしといた」

「とりあえずって何よ!」


私が更にむくれた顔をすると、カオルは小馬鹿にするように笑った。

そして、私の腰に手を回し、自分の方へと寄せ距離を詰めてくる。
< 28 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop