再び、光が差す-again-〈下〉
「…少し、落ち着いた?」
綺月は自分の言葉で俺が泣いたのだと未だ勘違いしているのか、申し訳なさそうな顔を全面に出しながら部屋に入る。
綺月が部屋に入ると、俺の手にしていたパンフレットを見て、目を見開くと急いでそのパンフレットを奪い取った。
「……ここにあったのか」
美月の部屋から教材を借りる際に一度部屋に入って来たことがあった。
手にしていた教科書と一緒に持っていたパンフレットを一旦机の上に置いたが、持ち帰る際にパンフレットだけ机の上に置きっ放しにしてしまったことに綺月は気付いていなかった。
どこにやったのだろうと探していたのか、綺月は小さく安堵の息を漏らす。
「…それ、お前の?」
パンフレットを指さすと、言うつもりはなかったのか綺月は渋々小さく頷いた。
「お前、教育大学受けるのか」
「うん」
開き直って今度は力強く頷く。
それに素直に驚いた。
綺月にとって勉強は美月と同じように苦痛そのものだったはずなのに、なぜ教育大学の道を選ぶのだろうか。
そんな俺の心の声が聞こえたのか、綺月はフッと笑みを零す。
綺月は自分の言葉で俺が泣いたのだと未だ勘違いしているのか、申し訳なさそうな顔を全面に出しながら部屋に入る。
綺月が部屋に入ると、俺の手にしていたパンフレットを見て、目を見開くと急いでそのパンフレットを奪い取った。
「……ここにあったのか」
美月の部屋から教材を借りる際に一度部屋に入って来たことがあった。
手にしていた教科書と一緒に持っていたパンフレットを一旦机の上に置いたが、持ち帰る際にパンフレットだけ机の上に置きっ放しにしてしまったことに綺月は気付いていなかった。
どこにやったのだろうと探していたのか、綺月は小さく安堵の息を漏らす。
「…それ、お前の?」
パンフレットを指さすと、言うつもりはなかったのか綺月は渋々小さく頷いた。
「お前、教育大学受けるのか」
「うん」
開き直って今度は力強く頷く。
それに素直に驚いた。
綺月にとって勉強は美月と同じように苦痛そのものだったはずなのに、なぜ教育大学の道を選ぶのだろうか。
そんな俺の心の声が聞こえたのか、綺月はフッと笑みを零す。