再び、光が差す-again-〈下〉
光は差し続ける
海斗は私が受験するパンフレットを興味もないくせにパラパラと捲っていた。
「あのさ、教育大学受けることはカオルには言わないでね」
「は?なんで?」
ここで聞き返さずに黙って頷いて欲しいと思った。
「本当は一番最初に言う筈だったから」
今度カオルに会えた時に言うつもりだったのに、海斗が家に来て予定が狂ってしまった。
そう言うと、海斗はニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべながら「はいはいはい」と頷く。
「悪かったな、俺が先に見つけちまって」
パンフレットを返しながら、冷やかすような口調で言ってくる。
「それと、今まで悪かったな」
今まで嫌な態度を取って悪かったと言いたかったのだろう。
一番重要な部分を短縮していたが、これはプライドが高い海斗の限界の謝り方なのだと分かるから、私は素直に頷き返した。