再び、光が差す-again-〈下〉
「立ち話もなんだから…」
幸人はそう言うと、自らドアを大きく開きズカズカと中に入ってくる。
そのセリフは私が言うことで成り立つ言葉なのでは?と首を傾げていると、あっという間に靴を脱ぎ家に入って行った。
「良い匂いする!ここの部屋だ!」
雪希は犬のように嗅ぎ分けながら、リビングの扉を躊躇なく開ける。
その後を幸人が平常運転でゆっくりと進み、思い出したかのように振り返って私を見る。
「あっ、お招きありがとうございます」
小さくお辞儀をして、雪希同様何の躊躇もなく扉を開けた。
図々しい人に集まる友達は、みんな図々しいことをここで知った。
そもそも、良い案があると提案を投げかけたのに、人の答えを聞く前に既に実行しているカオルは何なんだと、グチグチ文句を垂れながら私も皆のところに行く。
リビングに入ると幸人が母にケーキを渡している瞬間が目に映り、私は「まぁいっか」と甘いものに釣られあっという間に思考が馬鹿になった。
母はもう一人や二人不良が増えようが変わらないと思っているのか、それとももう開き直っているのか柔軟に対応していた。
全ての料理が出揃った後に、椅子が五つしかないことに気付く。
もちろん人数分の椅子が家にある筈も無く、行儀が悪いと普段なら母が怒るような立っての食事を、また戸惑いながらも母は受け入れた。
幸人はそう言うと、自らドアを大きく開きズカズカと中に入ってくる。
そのセリフは私が言うことで成り立つ言葉なのでは?と首を傾げていると、あっという間に靴を脱ぎ家に入って行った。
「良い匂いする!ここの部屋だ!」
雪希は犬のように嗅ぎ分けながら、リビングの扉を躊躇なく開ける。
その後を幸人が平常運転でゆっくりと進み、思い出したかのように振り返って私を見る。
「あっ、お招きありがとうございます」
小さくお辞儀をして、雪希同様何の躊躇もなく扉を開けた。
図々しい人に集まる友達は、みんな図々しいことをここで知った。
そもそも、良い案があると提案を投げかけたのに、人の答えを聞く前に既に実行しているカオルは何なんだと、グチグチ文句を垂れながら私も皆のところに行く。
リビングに入ると幸人が母にケーキを渡している瞬間が目に映り、私は「まぁいっか」と甘いものに釣られあっという間に思考が馬鹿になった。
母はもう一人や二人不良が増えようが変わらないと思っているのか、それとももう開き直っているのか柔軟に対応していた。
全ての料理が出揃った後に、椅子が五つしかないことに気付く。
もちろん人数分の椅子が家にある筈も無く、行儀が悪いと普段なら母が怒るような立っての食事を、また戸惑いながらも母は受け入れた。