再び、光が差す-again-〈下〉
「綺月、この先何かあってもどんなことを選択しようともあなたの考えは正しい。
母親が障害になるのなら、切り捨てでも一生懸命生きなさい。
あなたの選ぶ道は全て私が肯定する」
死になさいと最低な言葉を吐いた母は、矛盾するかのように今度は生きなさいと告げる。
ずっとしこりとなって消えないその言葉は、もう多分消えないのだろうと思っていた。
母に何度謝られてもその傷は完全に塞がることは出来ないのだと。
でも、母の生きなさいと強く放った言葉が、しこりの上に覆いかぶさり更に包み込んで解してくれている気がした。
私は堪らなくなり、吐き出すように涙を零す。
嗚咽混じりのその声に気付いたカオルが泣いている私を見る。
「…綺月?」
その声に私が泣いていることにみんなが気付く。
私は濡れた母の手を握る。
「…必ず、またここにお姉ちゃん連れて来るから」
「いいの、あの子は私に会わない方が幸せでいられるから」
「絶対に連れて来るから、だからもう少しだけ待ってて」
私が更に母の手を強く握り、母は戸惑いながら「そんなことはしなくていいの」と首を振る。
母親が障害になるのなら、切り捨てでも一生懸命生きなさい。
あなたの選ぶ道は全て私が肯定する」
死になさいと最低な言葉を吐いた母は、矛盾するかのように今度は生きなさいと告げる。
ずっとしこりとなって消えないその言葉は、もう多分消えないのだろうと思っていた。
母に何度謝られてもその傷は完全に塞がることは出来ないのだと。
でも、母の生きなさいと強く放った言葉が、しこりの上に覆いかぶさり更に包み込んで解してくれている気がした。
私は堪らなくなり、吐き出すように涙を零す。
嗚咽混じりのその声に気付いたカオルが泣いている私を見る。
「…綺月?」
その声に私が泣いていることにみんなが気付く。
私は濡れた母の手を握る。
「…必ず、またここにお姉ちゃん連れて来るから」
「いいの、あの子は私に会わない方が幸せでいられるから」
「絶対に連れて来るから、だからもう少しだけ待ってて」
私が更に母の手を強く握り、母は戸惑いながら「そんなことはしなくていいの」と首を振る。