再び、光が差す-again-〈下〉
あれから月日は流れ、毎年最高気温を更新し続ける夏が終わり、あっという間の秋が過ぎ去り、冬の寒さが肌を刺す頃、私は少し凍っている地面を慎重に歩きながらカオルに電話をする。
カオルは1コール目ですぐに出た。
「どうだった?」
電話に出て早々、カオルは早口で聞いてくる。
それに笑いながら私は答えた。
「受かったよ」
大学受験も無事に終わり、今日は合格発表の日だった。
自信もあった私は特に緊張もしておらず、高校受験の合格発表と同様に寝坊して少し出遅れた。
電話がかかってこないカオルは心配で着信を何件もしていたのに、私は悠々と寝坊していたことをカオルはもちろん知らない。
「………そうか」
心底安堵しているカオルの電話越しの声に、申し訳無くなる。
寝坊して遅くなったことは言わないでおこう。
そう思ったのに、電話越しから奈都が私にも聞こえるように大きな声で叫ぶ。