再び、光が差す-again-〈下〉

あの日以来、1ヶ月に一度お姉ちゃんは家に顔を出すようになった。

夜ご飯を一緒に食べるだけの少しの時間だが、それでも私にとっては嬉しかった。

だんだんと大きくなるお姉ちゃんのお腹は見て、毎度満足するまで摩り、お腹の中の赤ちゃんに声をかけるのが最近の私の楽しみだった。

家に帰ると、お姉ちゃんと聡さんはもう家に着いていて、母と一緒に私の合格を祝ってくれる。


「また大きくなってる!
まだ産まれないの?」


私は座っているお姉ちゃんのお腹を優しく摩りながら聞く。


「まだだよ、予定日は4月だから」

「桜が咲いてる頃に産まれたらいいね」

「どうして?」

「え?なんかめでたいじゃん!」


ただの感情論で言っている私に、お姉ちゃんと聡さんは顔を見合せて笑った。


「カオルと同じこと言ってるぞ」

「なんか似てきたね、2人」

「あのアホと一緒にしないでよ」


カオルをアホ呼ばわりすると、まるで聞こえてたかのように丁度良いタイミングでカオルがインターホンを鳴らした。
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