再び、光が差す-again-〈下〉
「綺月出てくれる?」


キッチンで料理を用意している母に言われ、私は扉を開ける。


「綺月ちゃん!合格おめでとー!」

「奈都〜ありがとう」

「おめでとう」

「ありがとう、カオル」


私はカオルと奈都を家に迎え入れると、私と同様2人は一目散にお姉ちゃんに駆け寄る。


「可愛いね〜」


奈都はまだ産まれてもいない赤ちゃんに向かっておかしなことを言う。


「まだ産まれてないよ?」

「産まれてなくても存在が可愛いんだよ〜」

「産まれてないのにこの反応なんだから、産まれてきたらみんなにチヤホヤされそうだね」

「誰に一番懐くか予想しようよ」

「俺だろ」

「カオルは絶対に無い!」

「なんでだよ!」


私達が騒いでいる中、いつの間にかテーブルいっぱいに料理が並べられていた。
< 357 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop