再び、光が差す-again-〈下〉
「可愛かったね、赤ちゃん」

「そうだな」

「聡さんデレデレしてたね」

「あんな聡は見たくなかったな」

「カオルも同じくらいデレデレしそうだけど?」

「そりゃあするだろ、俺の子だぞ?」

「子供出来たらなんて名前が良い?」

「……まだ結婚してもないのに、子供の話?」

「いいじゃん、ちょっと想像するくらい」

「結婚の想像はしないのか?」

「…なに?さっきから」


妙に変なところで突っかかるカオルに私が足を止める。

カオルは横にいない私に気付いて、カオルも足を止め振り返った。


「…とりあえずさ」


カオルはいつものように口を開いて言葉を続ける。


「落ち着いたら、また一緒に住まない?」


────え?

私は冗談なのか本気なのか分からないカオルを見ながら瞬きをする。

そんな私に笑いかけると、カオルは私の手を握る。
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