再び、光が差す-again-〈下〉
「それで、そのカオル達は?まだ来てないの?」

「病室が溢れ返ってるって連絡したら、人減ったらまた連絡してくれって来た」


菜穂はそのメッセージのやり取りを私に携帯を突き出して見せてくれる。


「なんか意外、すぐに来そうと思ったのに」

「人が少ない時の方がゆっくり話せるでしょ」


まぁ確かに、この状況を見たらゆっくりなんて話せないなぁ。


「じゃあ私もまた後で来ようかな」


そう言いながら帰ろうとする私の腕を菜穂ばガシッと勢いよく掴む。


「え?何?」

「綺月はこっち」


そう言うと菜穂は私を無理矢理引っ張って連れて行かれる。

連れて来られた場所は病院の屋上だった。

そこには聡さんと一喜さんとお姉ちゃんの三人がいた。
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