再び、光が差す-again-〈下〉
【菜穂side】


聡さん達の考えがどこまでも綺月にはお見通しだった。

顔に出すぎるのも悪いが、勘が鋭いのも悪い気がした。


「杏樹さんが聡さんを狙っているから、私達は溜まり場に来ない方が安全だと、結局はそう言いたかったんですよね?」


私の言葉に、聡さんが頷く。


「それって、安全なんですか?」

「…え?」

「せっきは聡さんの代わりで狙われたんですよね?
聡さんが動かない限り、狙われるのは弱い人達ですよ?」


何も動こうとはしない、むしろ私達をAgainから遠ざけて事が収まるまで待とうとしているように見えた。


「Againはどうしてまた復活したんですか?」

「それは」

「杏樹さんを止めるためじゃなくて、取り戻すためですか?」


綺月の代わりに私が今度は核心についてくる。
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