再び、光が差す-again-〈下〉
痛いところを突かれる度に、三人の口がキュッと締まっていく。


「カオル達はなんて言ってますか?」

「…まだ言ってはいない」


それを聞いて私は悔しくて手に力が入る。


「私と綺月が分かったって頷いたら、カオル達は聡さんに付くと思ったからですか?」

「…菜穂、違うの」

「私達が杏樹さんに同情して許したら、カオル達も許すと思ったんですか!」


そんなの絶対に許さない。

私は目に涙を浮かべながらもなんとか耐える。


「私は杏樹さんのこと知ってるし、杏樹さんがなぜAgainを抜けたのかも大体だけど聞いています。
聡さん達が杏樹さんを思う気持ちも分かります。
それでもやっぱり、綺月と同じで私もせっきの方が大事です!」
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