再び、光が差す-again-〈下〉
その次の日から、私はカオルの連絡をひたすら無視するようになった。


「電話は出なくてもメッセージぐらい返してあげたら?」


放課後、菜穂とカフェで喋っているとカオルからの着信が入る。

震える携帯を見ながら、私はカオルが切ってくれるまで待つ。


「意固地になってもしょうがないのは分かっているけど、やっぱり腹立つから」

「カイもユキもカオルと同じ反応だった。
杏樹さんってここまで慕われてた人だったなんて知らなかった」


杏樹がいた頃のAgainとは関わりがない菜穂も、カオル達が雪希よりも杏樹を選んだことが納得いっていないようだった。

私達は雪希と杏樹を天秤にかけても選ぶことが出来るけど、カオル達はどっちも大事だから選べない。

いや、むしろ杏樹寄りかもしれない。

それがまた私達から納得のいかないため息が漏れる原因だった。
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