再び、光が差す-again-〈下〉
憶測だけで決めつけるのは良くないとは分かっている。
でも聡さんには雪希の証言以外にも杏樹だと思う証拠があるはずだと私は思っている。
「何でせっきはそんなに冷静なの?
死にかけたんだよ?」
事故のことについて淡々と話す雪希に菜穂が有り得ないと言った顔で聞く。
もし自分が巻き込まれた場合、雪希のように冷静では居られないと思ったのだろう。
「俺は正直狙われたのが俺で良かったと思ってるんだよ。
お前らの誰かが襲われたなら黙ってないけど、自分だったからこんなに冷静なのかもな」
雪希はかっこいいことをサラッと口にする。
こういう互いに互いをちゃんと思っているカオル達の関係性が私は好きだと思っていた。
だからそれを邪魔する杏樹のことが尚更許せなかった。
「他に杏樹さんだと思う証拠とかってあったの?」
「あー杏樹さん昔から甘ったるい香水付けるんだよ、すれ違った時に杏樹さんの付けていた香水の匂いと同じだった」
…甘い香水?
男にしては珍しいなぁと私はサラッと受け流した。
それよりも私は他に気になることがあった。
「雪希、杏樹って人はどうしてAgainを抜けたの?」
私が意を決して、触れて欲しそうにない部分に触れた時、タイミング悪くドアを三回ノックする音が聞こえ、話が一時中断される。
でも聡さんには雪希の証言以外にも杏樹だと思う証拠があるはずだと私は思っている。
「何でせっきはそんなに冷静なの?
死にかけたんだよ?」
事故のことについて淡々と話す雪希に菜穂が有り得ないと言った顔で聞く。
もし自分が巻き込まれた場合、雪希のように冷静では居られないと思ったのだろう。
「俺は正直狙われたのが俺で良かったと思ってるんだよ。
お前らの誰かが襲われたなら黙ってないけど、自分だったからこんなに冷静なのかもな」
雪希はかっこいいことをサラッと口にする。
こういう互いに互いをちゃんと思っているカオル達の関係性が私は好きだと思っていた。
だからそれを邪魔する杏樹のことが尚更許せなかった。
「他に杏樹さんだと思う証拠とかってあったの?」
「あー杏樹さん昔から甘ったるい香水付けるんだよ、すれ違った時に杏樹さんの付けていた香水の匂いと同じだった」
…甘い香水?
男にしては珍しいなぁと私はサラッと受け流した。
それよりも私は他に気になることがあった。
「雪希、杏樹って人はどうしてAgainを抜けたの?」
私が意を決して、触れて欲しそうにない部分に触れた時、タイミング悪くドアを三回ノックする音が聞こえ、話が一時中断される。