再び、光が差す-again-〈下〉
「やっぱ目立つ?
出かける前にずっと冷やしたんだけど全然引かなくて…実際三日も泣きっぱなしだったからこうなるのは当たり前なんだけど」


三日も泣きっぱなしになるほど、誰かを想うってなかなか出来ないことだなと、私は一途すぎる菜穂のことが不便で仕方なかった。

でもそれと同時に益々菜穂のことが好きになった。


「泣き腫らした目の菜穂も充分可愛いよ」

「うっさいよ」

「もう泣いちゃ駄目だよ、泣く時は一緒に居てあげるから」

「もう好き〜!綺月と付き合う〜!」

「あはは、付き合っちゃう?」


菜穂の冗談に珍しく乗ると、菜穂が驚いて私から体を離す。


「もしかして、まだ喧嘩してんの?」


その問いに、気まずくなり目を逸らす。

そんな私を見て、菜穂が膨大なため息を吐いた。
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