再び、光が差す-again-〈下〉
「今日一日みんなに腫れた目笑われた〜
明日になったら引いてるかな」


菜穂はカバンをブンブンと振り回しながら私の席まで来る。

朝は物凄く腫れていた目も数時間経てばマシにはなっていた。


「今日は眠る前までずっと目冷やしときな」

「そうする」


他愛のない会話をしていると、雨の音が耳に入って来て、私と菜穂は窓から外を見る。


「運悪く降ってきちゃったよ」

「まぁ夕方から雨予報だったからね」


突然と大粒の雨を降らせ、あっという間に地面が濡れていく。

雨でグラウンドが使えず喜ぶ部活動生もいれば、体育館の湿気は一番の天敵だと叫ぶ部活動生もいる中、私達は帰る支度を済ませて靴箱まで向かう。


「今日実は雪希に会いに行くんだけど、菜穂も行く?」

「あー、もしかして、この前の話の続き聞きに行くの?」

「うん、ずっと気になってたから」

「私も詳しくは聞いてないし、杏樹さんのこと気になるから行く」


菜穂はそう言って可愛らしい傘を広げる。

私もそれに続けて傘を広げ、雨の中を歩き始める。
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