きみがすき
小さな気持ちが生まれるとき
高校一年 ―春―
中学を卒業し、春休みを存分に楽しんだ私は中学の同級生と共に地元の高校の進学した。
綾瀬ひかり
ごく普通の高校生です。
「はい、とーちゃーく!」
「ありがとー」
自転車を駐輪場に止めて私を降ろした彼、薫。
家が近いってのもあって登下校はいつも一緒。
「あ、ひかりオハヨー!
朝から仲良く彼氏とニケツですかー?」
駐輪場で薫と別れた私にニヤニヤ笑いながら声をかけてきたのは
中学からの友達、
辻合春香と
天宮友紀だった。
通称“ハル”と“友紀”
「なっ…違うよ!彼氏じゃなくて幼なじみ!」
「本当かぁ?」とまだ疑ってくる二人。
…本当にちがうのに。
てゆーか、今まで、幼・小・中・高って一緒だったから
そういった感情なんて持ったことがない。
それ以前に私は恋愛感情を持ったことが無ければ、感じた事さえないのだから。
< 1 / 38 >