きみがすき
私はただ側にいたくて。
「こんな関係がいつまでも続くと思う?
『俺達は幼なじみだから、一生一緒なんです』なんて将来も言い続けるのか?」
「……っ……」
「無理だろ。
言葉だけじゃ、どうにもならない」
わかってる―…そんなこと。
「じゃぁ…なに。彼女できたから、もう薫のとこには来るなってこと?
ずっと…一緒だったじゃないっ!私たちの絆って…
関係ってこんなに脆かった?!」
ほら…また…口が勝手に。
「こんな簡単に壊れるくらいなら最初から幼なじみなんてやめておけばよかったよっ!」
「そこまで言ってないだろ。幼なじみだからってずっと一緒にはいられないって―…」
「知らない!もう沖野さんとこでも、どこでも行けばいいじゃんっ!」
私は走ってこの場からにげた。
「…幼なじみから抜け出せないから、俺も辛くて嫌なんだよ…」
薫がボソッと言ったことは知らない…。
この言葉の意味も
薫の気持ちも―…
知らなかった…………。
―――――――――
―――――…
好き勝手言って私、ホントに馬鹿だ―…。
この瞬間
「わたし―…」
気付いたんだ。
「好き…だったんだ」
私は薫を好きになってたことを―…。
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