きみがすき
「だったら、好きって気づいたんならウジウジしてないで早く追いかけなよ!」
…譲りたくないのは確か。
でもハルも薫が好きって知った今、私は告白してもいいのかな?
「離れたくないんでしょっ!いきなよ」
「…でも…」
「何、私がどーとか思ってんの?そんなん気にするくらいなら私が行くって行ってんの!」
「だ、ダメっ!」
いつの間にかハルと言い合いになってて、友紀はそれを温かい目で見ていた。
「早く行かないと…ホントに間に合わないよ…」
はあっと溜め息をつきながらハルは近くのベンチに座った。
「うん。……いってくる」
最後に私はハルの手を握って
「ありがとう」
一言告げてから急ぎ足で空港に向かった。