きみがすき
―――――――…
薫の乗る飛行機は夜出発だそうだ。
もうすぐ、行ってしまう。
私たちはベンチに寄り添いながら座り話し込んでいた。
「沖野さんとはどーなったの?」
「べつに、期限つきの付き合いだよ。たった一週間でいいって言うから付き合っただけ」
なんにもないから。
そう付け加えた後、薫はあたしを引き寄せた。
そーだったんだ…
本当に申し訳ないことしたな…。
「っ…学校は、
どうするの…?辞めるの?」
「そりゃ…転校だから」
だよね。当たり前だよ。
シュンと気分が落ちた。
もう行きも帰りも一緒じゃないんだ…。
明日からは、薫のいない生活が始まるんだ…。
私の考えてることを読んだのか、オデコにキスをしてきた。