きみがすき
薫ママが来た。
そろそろ出発なんだ。
「じゃぁ、またな。
あっちについたら連絡するから。あと…此処まで言いに来てくれてありがとう」
「ううん。私も言えてよかった、気をつけてね。」
握ってた手をゆっくり放した。
最後に指を一瞬だけギュッと掴むと同じように握ってくれた。
離したくない。
離れたくない。
でも、少しの辛抱だから。
それくらい、待ってることくらい私にだって出来るでしょ?
だから
「行ってらっしゃい」
私は笑顔で見送った。
こうして、
和泉一家は飛び立った。
.