きみがすき
気付いた気持ち
「嫌だったんでしょ?」
「…は?」
「薫に好きなコがいることがよっ!ホントに鈍いわねっ」
翌日、昨日のチクチクする感覚の事を友紀たちに言った。
「何で自分のことなのにわからないかねー…」
「ゆ、ゆき…」
確かに。
友紀の言う通りだと思う。
いや、もっともだ。
どうして他人が私の心をわかって、私は自分の気持ちがわからないんだろう。
昔からこうだ。
何か嫌なことがあったとしても相談して言われないと気付けない。
こんな自分が嫌になる。
「…もうヤダ。そんなこと言われてもわかんないもん…」
机の上に俯せると頭の上に暖かい手が差し延べられた。
「ひかりはひかりなりにその気持ちが薫に対して恋心なのか、そうじゃないのか、見つければいいよ」
「…ハル……」
ハルは優しく言ってくれた。
そうだ。
そうだよ。
私なりに見つけていこう。
この気持ちを…。
このとき、ハルが寂しそうな瞳をしていたなんて、
私は気づかなかった―…。
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