メイク
車に乗って家に帰り、自室へ足を動かす。
ポケットの違和感。
喪服を脱ぎ捨てポケットを探る。
永璃の骨。
白い骨。
人差し指の爪くらいの大きさ。
それを砕いて僕は飲み込む。
これで、僕の中に永璃がいる。
今日初めて、この家が3階建てで良かった、部屋が3階にあってよかったと思う。
大きな窓を勢いよく開けて
風に揺れる前髪。
窓と外の境から足を離す。
鈍い音と激しい衝撃。
永璃。言っただろう。
キスツスの花言葉は
私は明日死ぬでしょう。
時刻は0時00分。
永璃が死んだ次の日。