青春恋日記
2月13日
今日は大学の合格発表の日だった。僕は無事に受かってて夜ご飯はお寿司だった。孝太も受かったらしくて、夜に通話した。小一時間くらい話していたら孝太が突然
「そーいえば俊卒業式に告白しないの?」
と聞いてきた。
「そんなのする訳ないじゃん〜 どうせ振られるんだし〜」
「え〜 でも当たって砕けろって言うじゃん!卒業式で最後なんだし思いっきり告って振られてきなよ!思い出思い出!振られるのも青春だよ!」
「あっ振られるのは前提なの?まぁ自分で言ったんだけどさぁ。気休めでもなんでもいいからワンチャンあるとか言わない?普通はさ?」
でも、歯に衣着せぬ物言いでなんでもズバズバ言ってくれる所も孝太のいい所だ
「まぁ応援してやるから頑張れよ!」
「うん...じゃあ頑張ってみる」
「しゅーん!」
「どうした?」
「好きだよ」
「!?」
「こんな感じで頑張れよ!おやすみ!」
「え?まって今のどうゆう...」
返事も聞けず通話を切られてしまった。

3月20日
今日は卒業式だった。陽輝とは大学が別なので会えるのは今日で最後かもしれない。たくさんの友達に囲まれてる陽輝を見て、少し勇気が無くなったけど孝太に背中を押されて行ってみた。近くと、陽輝はいつもどうりの笑顔で
「しゅんー!」
と行ってわざわざこっちに来てくれた。
「なぁ!写真撮ろ!」
と言ってくれたので撮ることにした。だけど緊張していたのでずっとソワソワしてたから陽輝に
「どうした?」
と聞かれてしまった。だから勇気を出して言おうと思った。
「あのさ...陽輝...」
「ん?」
「すっ...その... えっと...」
一気に顔が熱くなって言葉が上手く出ない
「実は、僕初めて見た時からずっと陽輝のことが好きだったんだ。友達とかじゃなくて、その... 恋人として...。」
「マジで?」
「急にごめんね、こんなこと。男に告白されたら気持ち悪いよね...」
「・・・えっ。ちなみにどこが?」
「えっと、誰にでもフレンドリーで人懐っこい所、笑顔がクシャッとしてて子犬みたいに可愛い所、スタイルが良くてイケメンな所、距離感がちょっと近すぎる所、寒い時に手をあっためてくれる優しい所、誕生日を覚えててくれて祝ってくれる所、熱中症になった僕を軽々持ち上げられる力持ちな所、その後心配してくれる所、近づくといい匂いがする所、寝顔が可愛い所、指揮が滑らかできれいな所、...あっ」
だまって俯く陽輝を、見て我に返る。
「えっと... ごめん...。その...付き合って欲しいなんてわがまま言えないって分かってる。でもどうしても伝えたくて。卒業したら離れちゃうから... だから...」
次第にどんどん涙が溢れてきた。何してるんだろう。一方的にこんなこと伝えて、困らせて。
「そうか、ごめんね。しゅん」
そうだ分かってた。振られることくらい。こんな思いするなら初めから何も言わなければ良かった。そうすればこの先もずっと友達でいられたのかな。
「だけど、伝えてくれてありがとう。」
そう言って陽輝は僕を抱きしめた。何が起きたか分からずにフリーズしてる僕に
「ほんとに...ごめん...」
と震える声で言った。なんで... 振られるって、迷惑だって分かってて一方的に告白した僕に優しくするの?好きじゃないなら抱きしめないでよ...これから会えなくなるのにもっと好きになっちゃう。
「しゅん」
陽輝に名前を呼ばれる。やめて。自分勝手なのは分かってるけどほんとに苦しかった。体中が震えて息も上手く出来なかった。
「はい、これ」
恐る恐る顔を上げると陽輝の手にはボタンがあった。
「よく卒業式に第二ボタンあげるって聞くじゃん?ブレザーのだけどよかったら貰って」
「いいの?」
「うん!恋人にはなれないけどしゅんは大切な友達だから。なっ!だからもう泣かないで?」
「ありがとう... あとはるきも泣いてるよ?」
「これは花粉症!しゅんとの別れが寂しくて泣いてるんじゃない!」
「寂しくないの?」
「...寂しい」
「はるき大好き!」
「・・・えっ、これどー返すのが正解なの!?」
最後にちょっと甘えてみたらいつも通りの陽輝に戻ってくれた。これで僕の高校生活と初恋が終わった。
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