プレゼントは君がいい


「やっぱり、辞めた方がいいのかな……」



だんだん、考えるうちに自分でもわからなくなる。

それがいつしか日常に消え、また繰り返される毎日。

そこから抜け出すには、大きな力だ必要だった。













「そんな疲れたあなたに、再就職先を提案なのですが」




うつむき加減だった視界に、すっと差し出された小さな箱。





「僕が頑張るので、ひとまず苗字を変えませんか」




顔を上げると、穏やかな表情の彼がいた。






「残業無し、衣食住保証付き、今ならお昼寝付き」



「えっ」



「僕と結婚してくれませんか」




何が起きているのかわからない。


目の前に置かれた箱の中には、キラキラと輝くそれがある。


ドラマでしか見たことないような、小さな指輪。



< 5 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop