政略結婚から逃げたいのに旦那様から逃げられません
「確かに私怨や好奇心で見せて貰えるものではない」
やっぱりそうなんだ。ちょっと気になるからとかで簡単に他人の懐具合を調べられては大変だ。
「だが、方法がないわけではない」
「まさか、侯爵権限とか、もしくは陛下や殿下にお願いしたら何とかなる……みたいなところですか?」
「いくら侯爵でもそんな力はない。国王陛下も様々な権力をお持ちだが、陛下や殿下の命令だからという理由でなんでも好き勝手できるものでもない。そんなことになれば暴君を生み出してしまう。陛下が立案したり下知を下されることはあるが、あまりに偏った内容にはきちんと長老会や司法が意見する。国王陛下も彼らの意見を無視して政策を推し進めることはできない」
「それではどうやって」
「方法はふたつある。ひとつは子爵に罪を犯させて、罪人として資産を調べる方法。ただし、罪を捏造することは逆にこちらが罪に問われる。しかし彼は叩けば埃の出てくる男だ。捏造しなくても周囲を洗えば彼に損をさせられたりして恨みを抱く者もいるだろう。そんな人物を探して訴えさせる。そうすればたとえ短期間しか勾留されなくても十分に調べることはできる」
「わかりました……それでもう一つは?」
「あなただ。あなたが#元__・__#子爵家の娘として引き継ぐ遺産の内容に不満ありと財務局に申し立てる。法律で爵位は女性に行くことはないが、金銭などの物質的な遺産については爵位を継ぐ長子や息子よりは少ないとは言え、一定額もらえる権利はある」
「それはつまり、もっと貰える筈だからどれ程資産があるか開示しろと申し出るわけですね」
「そうだ。こちらは書類を提出するだけでいい。もし、その結果必要な金額を貰えていないとなれば、今度はあなたが子爵に対して支払いを要求することができる」
「できる…それはしてもしなくても、どちらでもいい。ということですか」
私がそう言うと、彼は目を大きく見開いた。
「そういうことだ。ただ、これは貰えるものは貰いたいという気持ちで動く人が殆どだから、申し出だけで金品を受け取らない人はいない」
確かにそうだ。一ダルでも多く貰えるならその方がいい。
「欲しいのは真実です。お金はいりません」
「わかっている。たとえ望んでも今の彼に払えるかどうかわからない。彼の資金の出どころだった奥方の実家の方の商売も最近では翳りが出ているそうだ」
夜会で私に声をかけ、私と二人きりになるため彼女を追い払った時の彼の口振りを思い出す。
彼女のことは好きになれなさそうだが、それでもあんな風に怒鳴る必要はない。
「最初の案は、誰か宛てがあるのですか?」
「まあ、ないこともない。どうせなら両方の案ではどうだろう。先に申し立てをして、後に訴えさせる。あなたが子爵からのお金を望まないなら」
「私は今の状態で十分です。カディルフ伯爵家の屋敷と土地までいただいて……欲しかった以上のものがここにはあります」
彼の手と膝に手を当てて、背中を彼に預ける。
物だけではない。それ以上にこうやって抱き締めてくれる人がいることが嬉しい。私の気持ちが伝わったのか、お腹に回った彼の手が更に私を引き寄せた。
「私があなたに与えられるものは何でも与えよう。だからあなたも私が欲しいものをくれないか」
ワントーン低くなった彼の声が耳の側で聞こえ、ぞくぞくとした興奮が体を走り抜けた。
「……私には……あなたに与えられるものは何も……あなたは何もかもお持ちでしょう?今さら何を求めますか?」
胡座をかいた彼の膝の上に座っているので、彼の下半身が固くなったのがわかる。お腹にあった手もひとつは胸に、ひとつは夜着の裾から太ももへ、さらにその上に辿り着く。
「ん……」
乳房を覆い、指が先端の敏感な部分に触れると、思わず声が漏れた。
「ああん……」
下着の中に彼の手が差し込まれ入り口に長い指が差し込まれると、喘ぎ声とともに腰が浮いてもっと深くと彼の指を誘い込む。
「すごい……指が引きちぎられそうだ」
くりくりと立ち上がった乳首を薄い生地の上から弄られる度に下が収縮して、彼の指をぎゅっと締め付ける。
「や……言わないで……」
低い声で耳のすぐ側で囁かれると、息が耳にかかって興奮で肌が粟立つのがわかった。
「もっと足を開いて」
考えられなくなり言われた通りにすると、指が増やされた。もう私の気持ちよくなるところを知りつつある彼の指が中で蠢いて奥の方からじわじわと溢れてくる。それが彼の指をさらに滑らかにさせ、出たり入ったりする度に水音がする。
「ルイス…ルイスレン……」
「達きたいなら達っていい」
彼の親指が秘芽を軽く弾いて、その瞬間、私は軽く達ってしまった。
「ああ……ん」
「まるでリュートのように美しい音色だ」
弦楽器を奏でるように弾いて私が喘いだのを彼が楽器に例える。
「そんな……いいものでは……」
上がった息の中からそう言う。
「どんな芸術家もあなたのその姿を完璧には再現できない、どんな音楽家もあなたの声に敵う音を紡ぎ出すことはできない。あなたの肌以上に滑らかな生地はこの世のどこにもない」
「そんな……」
「そして、どんな高級な菓子も、あなたの味わいには負ける」
指を濡らす私の愛液を口に含み、ちゅぱちゅぱと音を立てて舐める。
「あなたの作るものは何もかも素晴らしい」
やっぱりそうなんだ。ちょっと気になるからとかで簡単に他人の懐具合を調べられては大変だ。
「だが、方法がないわけではない」
「まさか、侯爵権限とか、もしくは陛下や殿下にお願いしたら何とかなる……みたいなところですか?」
「いくら侯爵でもそんな力はない。国王陛下も様々な権力をお持ちだが、陛下や殿下の命令だからという理由でなんでも好き勝手できるものでもない。そんなことになれば暴君を生み出してしまう。陛下が立案したり下知を下されることはあるが、あまりに偏った内容にはきちんと長老会や司法が意見する。国王陛下も彼らの意見を無視して政策を推し進めることはできない」
「それではどうやって」
「方法はふたつある。ひとつは子爵に罪を犯させて、罪人として資産を調べる方法。ただし、罪を捏造することは逆にこちらが罪に問われる。しかし彼は叩けば埃の出てくる男だ。捏造しなくても周囲を洗えば彼に損をさせられたりして恨みを抱く者もいるだろう。そんな人物を探して訴えさせる。そうすればたとえ短期間しか勾留されなくても十分に調べることはできる」
「わかりました……それでもう一つは?」
「あなただ。あなたが#元__・__#子爵家の娘として引き継ぐ遺産の内容に不満ありと財務局に申し立てる。法律で爵位は女性に行くことはないが、金銭などの物質的な遺産については爵位を継ぐ長子や息子よりは少ないとは言え、一定額もらえる権利はある」
「それはつまり、もっと貰える筈だからどれ程資産があるか開示しろと申し出るわけですね」
「そうだ。こちらは書類を提出するだけでいい。もし、その結果必要な金額を貰えていないとなれば、今度はあなたが子爵に対して支払いを要求することができる」
「できる…それはしてもしなくても、どちらでもいい。ということですか」
私がそう言うと、彼は目を大きく見開いた。
「そういうことだ。ただ、これは貰えるものは貰いたいという気持ちで動く人が殆どだから、申し出だけで金品を受け取らない人はいない」
確かにそうだ。一ダルでも多く貰えるならその方がいい。
「欲しいのは真実です。お金はいりません」
「わかっている。たとえ望んでも今の彼に払えるかどうかわからない。彼の資金の出どころだった奥方の実家の方の商売も最近では翳りが出ているそうだ」
夜会で私に声をかけ、私と二人きりになるため彼女を追い払った時の彼の口振りを思い出す。
彼女のことは好きになれなさそうだが、それでもあんな風に怒鳴る必要はない。
「最初の案は、誰か宛てがあるのですか?」
「まあ、ないこともない。どうせなら両方の案ではどうだろう。先に申し立てをして、後に訴えさせる。あなたが子爵からのお金を望まないなら」
「私は今の状態で十分です。カディルフ伯爵家の屋敷と土地までいただいて……欲しかった以上のものがここにはあります」
彼の手と膝に手を当てて、背中を彼に預ける。
物だけではない。それ以上にこうやって抱き締めてくれる人がいることが嬉しい。私の気持ちが伝わったのか、お腹に回った彼の手が更に私を引き寄せた。
「私があなたに与えられるものは何でも与えよう。だからあなたも私が欲しいものをくれないか」
ワントーン低くなった彼の声が耳の側で聞こえ、ぞくぞくとした興奮が体を走り抜けた。
「……私には……あなたに与えられるものは何も……あなたは何もかもお持ちでしょう?今さら何を求めますか?」
胡座をかいた彼の膝の上に座っているので、彼の下半身が固くなったのがわかる。お腹にあった手もひとつは胸に、ひとつは夜着の裾から太ももへ、さらにその上に辿り着く。
「ん……」
乳房を覆い、指が先端の敏感な部分に触れると、思わず声が漏れた。
「ああん……」
下着の中に彼の手が差し込まれ入り口に長い指が差し込まれると、喘ぎ声とともに腰が浮いてもっと深くと彼の指を誘い込む。
「すごい……指が引きちぎられそうだ」
くりくりと立ち上がった乳首を薄い生地の上から弄られる度に下が収縮して、彼の指をぎゅっと締め付ける。
「や……言わないで……」
低い声で耳のすぐ側で囁かれると、息が耳にかかって興奮で肌が粟立つのがわかった。
「もっと足を開いて」
考えられなくなり言われた通りにすると、指が増やされた。もう私の気持ちよくなるところを知りつつある彼の指が中で蠢いて奥の方からじわじわと溢れてくる。それが彼の指をさらに滑らかにさせ、出たり入ったりする度に水音がする。
「ルイス…ルイスレン……」
「達きたいなら達っていい」
彼の親指が秘芽を軽く弾いて、その瞬間、私は軽く達ってしまった。
「ああ……ん」
「まるでリュートのように美しい音色だ」
弦楽器を奏でるように弾いて私が喘いだのを彼が楽器に例える。
「そんな……いいものでは……」
上がった息の中からそう言う。
「どんな芸術家もあなたのその姿を完璧には再現できない、どんな音楽家もあなたの声に敵う音を紡ぎ出すことはできない。あなたの肌以上に滑らかな生地はこの世のどこにもない」
「そんな……」
「そして、どんな高級な菓子も、あなたの味わいには負ける」
指を濡らす私の愛液を口に含み、ちゅぱちゅぱと音を立てて舐める。
「あなたの作るものは何もかも素晴らしい」