キミの恋のはじまりは
まあ、かっこいいよね……。
黙っていればだけどさ。
ダークブラウンの髪と目。爽やかな顔つきで、背だっていつの間にか私よりずいぶん高くなってる。
そっくりなわけではないのにな……。
やっぱり思い出してしまうわけで……。
『よく頑張ったね』
あの声が耳の奥に甦る。温かい眼差しと一緒に。背中を優しくさすってくれた。
記憶に浸っていたけれど、不穏な声が私を引き戻す。
『ていうか、あのベンチに座ってる子、だれ?』
『あの制服、星花女子高じゃん』
『片桐くんと仲良さそうだったよね?』
私?私のこと言ってる?
『まさか彼女?!』
『えー!マジか!』
『あの不落の片桐くん落とした子、近くでみたい!』
違う、違うよ!
全然ちがいますよ!
そ、それに、なに?
こっちに近づいてくる?!
思わず鞄を抱えて腰を浮かせ、逃げの態勢に入る。
黙っていればだけどさ。
ダークブラウンの髪と目。爽やかな顔つきで、背だっていつの間にか私よりずいぶん高くなってる。
そっくりなわけではないのにな……。
やっぱり思い出してしまうわけで……。
『よく頑張ったね』
あの声が耳の奥に甦る。温かい眼差しと一緒に。背中を優しくさすってくれた。
記憶に浸っていたけれど、不穏な声が私を引き戻す。
『ていうか、あのベンチに座ってる子、だれ?』
『あの制服、星花女子高じゃん』
『片桐くんと仲良さそうだったよね?』
私?私のこと言ってる?
『まさか彼女?!』
『えー!マジか!』
『あの不落の片桐くん落とした子、近くでみたい!』
違う、違うよ!
全然ちがいますよ!
そ、それに、なに?
こっちに近づいてくる?!
思わず鞄を抱えて腰を浮かせ、逃げの態勢に入る。