キミの恋のはじまりは
episode 7
ピピピッ、ピピピッ。
体温計の表示を見て嫌そうな顔をして私に差し出す。
38.2℃。
「うわぁ、高い!」
「大したこと…」
「あるでしょ!」
ベッド脇にしゃがんでぴしゃりと言った私に、ベッドの中で泉はぐっと言葉を詰まらせて眉をしかめた。
私の後ろにあるデスクチェアに座っている潤くんから忍び笑いが聞こえて、泉はさらに眉間のしわを深くした。
「誕生日デート楽しみすぎて熱出すとか、子どもすぎじゃん」
「……うるさい」
「遠足前日みたいにそわそわしすぎなんだよ」
「マジ黙ってて。頼むから」
「拗らせてたなぁ~」
くすくすと肩を揺らす潤くんに、泉は居心地悪そうに布団を鼻まで引き上げた。