キミの恋のはじまりは
◆ ◆ ◆
「そんなわけで、私、自然にまかせようと思います!」
顔の横に手を上げて、小さい宣誓ポーズをする私。
泉は座っているデスクチェアをくるっと回して、白けた目で私を見た。
私はベットとローテーブルの間に座り込んで、窺うように泉を見上げる。
「……なに、その宣言」
「聞いての通りですけど?」
「いや、なんでわざわざ言いにきた?」
「……泉に誓いを立てておこうかと思って?」
「……意味わかんね」
予想通り、冷たい視線を向けられるけれど、気にしない気にしない。
本当は心配してくれているだろう泉に報告したかっただけなんだけど、素直に言えない自分がもどかしい。