キミの恋のはじまりは
episode 4
◆ ◆ ◆
はじめは、ただ嬉しかった。
ひとりぼっちだろうと思っていたのに、お隣の彼は私に構ってくれた。
毎朝、迎えに来てくれた。
帰りも、毎日一緒だった。
『莉世ちゃん、うーん?……莉世?…うん、莉世ってよぶ!』
『莉世も。泉ね。くん、いらないからね!』
男の子に名前で呼ばれるのは初めてで、くすぐったかったけれど、特別な感じがしてどきどきした。
『莉世~、一緒に鉄棒やろう!』
『…あれ、鉄棒、もしかして苦手?…んじゃ、何が好き?莉世の好きなこと、一緒におれもしたい!』
『おりがみ?……うわー、すげー、こんなふうに折れるの?!おれにも教えて!』
笑顔がまぶしくて、いつもきらきらしてて、ぽかぽかのお日様みたいな人。