愛を知るまでは★ビターチョコレート編★
最愛
やっと。
やっと。
やっと手に入れた。
俺はつぐみの心と身体をやっと完全に手に入れることが出来たのだ。
さっきまで繋がっていたつぐみの身体を反芻し、
俺は深く息を吸い込み、その息を大きく吐き出しながらその事実を噛みしめる。
俺の腕の中でまどろむつぐみは、天使のように可愛かった。
何も染めていない黒くてつやつやでベビーシャンプーの香りがする髪。
白くて透明感あふれる肌。
子リスのように黒目がちで、全てを真っ直ぐにみつめる透き通った瞳。
薔薇色に上気した頬。
さくらんぼのようにピンクで柔らかく、切ない声で俺に愛を告げる唇。
そして服をはぎ取った者だけが愛でることが出来る
豊かな胸や、桃のような臀部、しなやかな肢体。
その甘いイチゴキャンディを口の中で転がしたときのような声。
何度抱き寄せても、何度口づけをかわしても、まだ足りない。
全然足りない。
ずっと手元に置いておきたい。
目に見えるところで監視していたい。
俺の、俺だけのつぐみ・・・。
つぐみ、君はいとも簡単にこんなことを言う。
「弘毅より私のほうがずっと好きっていう気持ちが強いんだから。
弘毅は私のことをただ受け入れてくれればいいの。
愛なんてなくてもいいの。
今この瞬間、そばにいてくれればそれで私は満足なの。」
そう囁きながら、俺の背後から腕を回して手を組み、俺を包み込んでくれる。
君はわかっていない。
何もわかっていない。
俺の方がどれだけ君を欲しているかということを全くわかっていない。
この瞬間だけだなんて許さない。
俺は君といるこの瞬間も、この先続くずっと未来までも、君を縛り付けて絶対に離さない。
君は俺という蜘蛛の巣にかかった美しい蝶だ。
罠にかかった可愛らしい野ウサギだ。
つぐみは真っ白いキャンバスだ。
これからゆっくり時間をかけて、俺色に染めていく。
穢れなきその心を俺のことでいっぱいにさせ、俺を想ってその脳内をぐちゃぐちゃにさせ、俺なしでは生きられないようにする。
そしてその未開発な身体に溢れる熱情を注ぎ、暗い過去に俺が手に入れた出来る限りのテクニックを使い、俺の思うがままにまさぐり、吸いつき、嫌というほど抱くつもりだ。
その青い果実から滴り落ちる水滴を、一滴も残さず啜いでやる。
・・・もちろん手荒なことは決してしない。
繊細なガラス細工に接するように、丁寧に、しかし永遠に俺の身体から離れられないようにしてみせる。
俺のこれまでの傷ついた日々は、つぐみと出逢い、求めあうためだけにあったのだ。
君と語り、笑い合い、身体を重ねるごとに、俺の心と身体に染みついた汚れが消え、清らかになってゆく。
そして君の固く閉じていた蕾も、俺という月光を浴びて、夜の帳の中でひっそりと花開き、美しく咲き誇る。
君がこの先、この場所を楽園と思おうが、鳥かごと思おうが、もう決して逃がしはしない。
君はこう思っているだろう。
自分が愛を知らない男に受け入れてもらった拙い恋の勝者だと。
そして俺は君から愛を乞う哀しい過去を持つ淋しがりやな男なのだと。
それはあながち間違ってはいない。
俺は世の男より少しばかり陰鬱な過去を持つ、頑なな男だ。
でも真の恋の勝者は俺だ。
つぐみとの恋のシーソーゲームは俺の完全勝利だった。
兄と妹のような、教師とその生徒のような季節は終わりを告げ、俺は晴れてつぐみの恋人という指定席に座ることが出来た。
これで思う存分、つぐみを甘やかし、めちゃくちゃに可愛がり、決して俺のそばから離れないように繰り返し暗示をかけることが出来る。
少しでもつぐみの関心が他に向けられようものなら、俺はその不安要素を一刻の猶予もなく叩き潰す。
俺はつぐみを手に入れる為に、用意周到に策を巡らせた、ずる賢い男だ。
目的を果たす為に、君を手に入れる為に、平気で嘘をつき、他の誰かを傷つけることなんてなんとも思わない、冷酷非道な男だ。
俺は決して君が思うような
「クールで、飄々としていて、優しくて実直な鹿内さん」
なんかじゃない。
独占欲と執着心の塊のような男だ。
・・・でもそれでいい。
俺を誤解したままでいい。
君の中で俺は愛を知らない可哀想な鹿内さんのままでいい。
愛を知ろうが知るまいが俺は、君のそばにずっと居続けるつもりだ。
・・・なんにせよ俺は、つぐみを手に入れた。
つぐみ、君はもう俺という檻の中から決して出られないんだよ。
その覚悟は出来ている?
つぐみに対するこの感情は、はたして「愛」と呼ぶべきなのか、それとも「執着」なのだろうか、ただの「自己満足」なのか・・・。
でもつぐみ、君のそばにいればきっと「愛」というものの正体がわかる気がする。
・・・そう思うんだ。
「どうしたの?弘毅・・・なんだか泣きそうな顔してる。」
いつのまにか目を覚ましたつぐみが俺の瞳を心配そうに覗き込む。
「つぐみ・・・どこへもいかないでくれ・・・」
「私はどこへも行かないよ?ずっと弘毅のそばにいる。」
「もう一回・・・してもいい?」
「ん。いいよ。来て。」
俺はつぐみの柔らかい唇を塞ぎ、つぐみが俺の首に手を回す。
そう。本当に甘えているのは俺の方・・・。
やっと。
やっと手に入れた。
俺はつぐみの心と身体をやっと完全に手に入れることが出来たのだ。
さっきまで繋がっていたつぐみの身体を反芻し、
俺は深く息を吸い込み、その息を大きく吐き出しながらその事実を噛みしめる。
俺の腕の中でまどろむつぐみは、天使のように可愛かった。
何も染めていない黒くてつやつやでベビーシャンプーの香りがする髪。
白くて透明感あふれる肌。
子リスのように黒目がちで、全てを真っ直ぐにみつめる透き通った瞳。
薔薇色に上気した頬。
さくらんぼのようにピンクで柔らかく、切ない声で俺に愛を告げる唇。
そして服をはぎ取った者だけが愛でることが出来る
豊かな胸や、桃のような臀部、しなやかな肢体。
その甘いイチゴキャンディを口の中で転がしたときのような声。
何度抱き寄せても、何度口づけをかわしても、まだ足りない。
全然足りない。
ずっと手元に置いておきたい。
目に見えるところで監視していたい。
俺の、俺だけのつぐみ・・・。
つぐみ、君はいとも簡単にこんなことを言う。
「弘毅より私のほうがずっと好きっていう気持ちが強いんだから。
弘毅は私のことをただ受け入れてくれればいいの。
愛なんてなくてもいいの。
今この瞬間、そばにいてくれればそれで私は満足なの。」
そう囁きながら、俺の背後から腕を回して手を組み、俺を包み込んでくれる。
君はわかっていない。
何もわかっていない。
俺の方がどれだけ君を欲しているかということを全くわかっていない。
この瞬間だけだなんて許さない。
俺は君といるこの瞬間も、この先続くずっと未来までも、君を縛り付けて絶対に離さない。
君は俺という蜘蛛の巣にかかった美しい蝶だ。
罠にかかった可愛らしい野ウサギだ。
つぐみは真っ白いキャンバスだ。
これからゆっくり時間をかけて、俺色に染めていく。
穢れなきその心を俺のことでいっぱいにさせ、俺を想ってその脳内をぐちゃぐちゃにさせ、俺なしでは生きられないようにする。
そしてその未開発な身体に溢れる熱情を注ぎ、暗い過去に俺が手に入れた出来る限りのテクニックを使い、俺の思うがままにまさぐり、吸いつき、嫌というほど抱くつもりだ。
その青い果実から滴り落ちる水滴を、一滴も残さず啜いでやる。
・・・もちろん手荒なことは決してしない。
繊細なガラス細工に接するように、丁寧に、しかし永遠に俺の身体から離れられないようにしてみせる。
俺のこれまでの傷ついた日々は、つぐみと出逢い、求めあうためだけにあったのだ。
君と語り、笑い合い、身体を重ねるごとに、俺の心と身体に染みついた汚れが消え、清らかになってゆく。
そして君の固く閉じていた蕾も、俺という月光を浴びて、夜の帳の中でひっそりと花開き、美しく咲き誇る。
君がこの先、この場所を楽園と思おうが、鳥かごと思おうが、もう決して逃がしはしない。
君はこう思っているだろう。
自分が愛を知らない男に受け入れてもらった拙い恋の勝者だと。
そして俺は君から愛を乞う哀しい過去を持つ淋しがりやな男なのだと。
それはあながち間違ってはいない。
俺は世の男より少しばかり陰鬱な過去を持つ、頑なな男だ。
でも真の恋の勝者は俺だ。
つぐみとの恋のシーソーゲームは俺の完全勝利だった。
兄と妹のような、教師とその生徒のような季節は終わりを告げ、俺は晴れてつぐみの恋人という指定席に座ることが出来た。
これで思う存分、つぐみを甘やかし、めちゃくちゃに可愛がり、決して俺のそばから離れないように繰り返し暗示をかけることが出来る。
少しでもつぐみの関心が他に向けられようものなら、俺はその不安要素を一刻の猶予もなく叩き潰す。
俺はつぐみを手に入れる為に、用意周到に策を巡らせた、ずる賢い男だ。
目的を果たす為に、君を手に入れる為に、平気で嘘をつき、他の誰かを傷つけることなんてなんとも思わない、冷酷非道な男だ。
俺は決して君が思うような
「クールで、飄々としていて、優しくて実直な鹿内さん」
なんかじゃない。
独占欲と執着心の塊のような男だ。
・・・でもそれでいい。
俺を誤解したままでいい。
君の中で俺は愛を知らない可哀想な鹿内さんのままでいい。
愛を知ろうが知るまいが俺は、君のそばにずっと居続けるつもりだ。
・・・なんにせよ俺は、つぐみを手に入れた。
つぐみ、君はもう俺という檻の中から決して出られないんだよ。
その覚悟は出来ている?
つぐみに対するこの感情は、はたして「愛」と呼ぶべきなのか、それとも「執着」なのだろうか、ただの「自己満足」なのか・・・。
でもつぐみ、君のそばにいればきっと「愛」というものの正体がわかる気がする。
・・・そう思うんだ。
「どうしたの?弘毅・・・なんだか泣きそうな顔してる。」
いつのまにか目を覚ましたつぐみが俺の瞳を心配そうに覗き込む。
「つぐみ・・・どこへもいかないでくれ・・・」
「私はどこへも行かないよ?ずっと弘毅のそばにいる。」
「もう一回・・・してもいい?」
「ん。いいよ。来て。」
俺はつぐみの柔らかい唇を塞ぎ、つぐみが俺の首に手を回す。
そう。本当に甘えているのは俺の方・・・。
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