flying dolphin
紬は膝の上にもたれかかるヒロの体の上で手を合わせまぶたをとじた。。

打ち寄せる波の音、今となっては穏やかな夜の時間が過ぎてゆく。

((ウフ、花巻君の鼓動を感じる。。。))


((今なら花巻君の鼓動とお話しができちゃいそう。。。。。))


((なんかわたしも花巻君を困らせちゃったよね(汗)。ゴメンネ。。。))


ヒロは思った
((ただ愛し合うだけ。。それだけなのに自分の生き方がただ愛することを難しくし遠回りしてしまったと。。。))

ヒロは疲れと安堵の思いからうとうとしながら(もう・・・離さない。。。)とボソッと呟いた。

紬(ん?なに?)顔を近づけた。

(・・・・・)聞こえたような聞こえなかったような・・・ニコッと微笑んだ。。。


夏のあたたかい海風が静かに吹いている。


月明かりが波間に揺れたとき
紬が!!

(花巻くん!!海見てよ!!)

ヒロ(え!?どうしたの?)


月明かりの下で2匹のイルカがジャンプした。

そのあとにもう1匹のイルカもジャンプした。


ヒロ(・・・フライングドルフィン・・・)


紬(あとから飛んだ子はアキラ君かな。。)

(3人一緒だね⭐︎)


ヒロの頬を一粒の涙が流れた。

2人は手と手をギュッと握り合い
紬は。。


(もう。。何もいらない。。。。。。)

(わたし 。。。。もぅ。。。溶けちゃいそうだよ。。。)



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