flying dolphin
週明け、 雲は厚く太陽の光が届かない海に 昨晩 紬が流した涙の続きのように雨が降り続いた。

紬はその日 渚南水晶ヶ浜にひとり。。。

海岸沿いに立つカフェが設けるマリンテラスに 目を配った。

当然訪れている人はなく 浜辺にあるオープンテラスも寂しげに佇んで見える。

紬は ぽつりぽつりと 雨風をしのぐオープンテラスへと歩いてゆき 備え付けの椅子に腰掛け 灰色の海に降る雨を見続けた。


すると カフェの窓際の席に 紬のバイト先の先輩 船木が友達 大洋(おおひろ)と2人で来て休憩をしていた。


船木((あれ？ あの浜辺の子って 七瀬さん？))

船木は 大洋と内輪話をしていながら 紬の存在が気になりだしていた。

船木(なあ、大洋！！ちょっと待っててくれないか？)

大洋(ん？どうした？)

船木(いやぁ。。あの外のオープンテラスにいる子なんだけど、知ってる子かもしれないから ちょっと話してきたいんだ！)

大洋(え！？そうなんだ！！)

(でも あの子 あそこなら濡れないとしても 雨の中、あんなところで何してるんだろうなぁ？)

船木(だろ！？ だから ちょっと行ってきてみるからさぁ 待っててくれよ！！)

大洋(りょーかい！！)
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