月のない夜
月のない夜
PM.3時
枕元で慌ただしく震え出した
オフ・ホワイトの携帯電話。
サブ画面に出ていた名前は、つきあって3年になる彼氏の『ユウ』だった。
手探りで携帯を捕まえて
素早く電話に出た。
「もしもし」
『あ、ミサキ?寝てた?』
「おきてたよ。」
あたしは咄嗟に嘘をついく。
寝てたよ
なんていったら、ユウは優しいからきっと
明日にするよ
って言うでしょう?
それだけは嫌なの…
貴方からの電話一つであたしはこんなに幸せな気持ちになれる。
それを知ってる?